ドボクを漢字で書くと「土」と「木」。そう、木なんです。

 土木の語源は紀元前に書かれた中国の思想書「淮南子(えなんじ)」から来ていると言われています。
ここにある「築土構木」という言葉から2文字が取られたということです。
その意味は「土を築き木を構える」と読めばおおよそわかります。
つまり人々が暮らしていくための空間、アイテムを作るということであり、これぞまさに土木です。
異説もありますが、説得力の大きさからここではこれでいいことにします。

 ただ、それにしても不思議です。それは、なぜ4文字の中からこの2文字が取られたのかということです。
ここで「築」と「構」は行為を、一方の「土」と「木」は材料を示しています。なので、土木とは主要な2つの材料を示す2文字を並べた言葉ということになります。
土木は単純~と誤解している人は、合わせても7画の簡単な漢字2文字であることと、ごく身近な材料で表現されていることに惑わされているのかもしれません。
今では木材を主要な材料と考える人はいないでしょうから、現代だと「土木」という言葉は生まれ得なかったことでしょう。そう考えると、ちょっとレトロな言葉ともいえます。

が、ここで申し上げたいのは、かつては木材が建設材料の主要な地位にあったという事実です。

ではなぜ木材だったかというと、それがどこにでもある樹木を加工することで簡単に手に入ったことにつきますが、使用に耐えうる十分な性能を有していたことも大きな理由だったはずです。
木材を大学の講義で習うことがない今にあっては、鋼材やコンクリートのような人工材料の方がはるかに高性能だと考えてしまうのもよくわかります。

が、天然の素材にちょっと手を加えただけの木材が意外にも高性能なのであれば、それってすごいことではないですか。

次回以降、そんな木材の性能や特徴、上手な使い方を紹介していきます。

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