海外で活躍した若手技師 松永 昭吾 2018.10.30 Tweet Share +1 RSS 土木の仕事をされている皆様は、ご家族、友人に土木の話をしていますか。 土木の話をしたくても、なかなか一般の方に受け入れられるネタって限られますよね。 第二回は、土木技術者が自慢したくなる「日本すごい土木技術者」の話をしたいと思います。 トーマス・グラバーの名を知らない人はいませんよね。 そうです。 長崎のグラバー園のグラバーさんです。 ところで、彼の出身はどこか知ってますか? イギリス・グレードブリテン島北部を占めるスコットランドです。 今回は、スコットランド紙幣に描かれた日本人アラサー技術者の話です。 イギリスは、昨年6月に実施された国民投票によりEUからの離脱を決定したが、いまのところは加盟国だ。 EU通貨といえばユーロだが、イギリスは導入せず、独自通貨であるポンド(くだけた言い方だとクイッド)を使い続けている。 中央銀行であるイングランド銀行が発行する紙幣の他に、スコットランド、北アイルランドの複数の銀行が紙幣を発行しているが、スコットランド銀行が2007年に発行した20ポンド紙幣には、スコットランドのシンボル、フォース鉄道橋(橋長2528m、カンチレバートラス橋)とともにイギリス人技師二人と日本人青年技師、渡邊嘉一(わたなべかいち、1858-1932)が描かれている。 彼は、日本の鉄道局を一年で退職し、スコットランドの名門グラスゴー大学に入学、現地にて就職する。 フォース鉄道橋建設の工事監督に抜擢され、橋は1890年に完成した。 遡ること12年前に75名の死亡者がでたテイ橋事故の原因の一つとして工事のずさんさが指摘されていたころだっただけに、五万四千トンの鋼材、八百万個のリベットを使う大工事での青年技師の活躍は、のちに紙幣に刻まれる栄誉を手に入れるにふさわしいものだったといえよう。 帰国した嘉一は、東京石川島造船所(現IHI)社長を務めるなど土木技術者、実業家として日本の土木界の発展に貢献した。また、スコットランドの繁栄を支えたフォース橋は、完成から一二五年たった一昨年(2015年)に世界遺産登録された。 Tweet Share +1 RSS Dr.まつながのドボクの細道 コメント: 0 デミマツのツタワル土木広報セミナーin 宮崎 (モノ)九州の石造文化 関連記事一覧 土木界のヒーロー空海 2018.11.19 郷土史マニアになろう 2018.11.26 国を守り続ける軍艦 2019.07.23 (モノ)九州の石造文化 2018.11.06 コメント ( 0 ) トラックバック ( 0 ) この記事へのコメントはありません。 この記事へのトラックバックはありません。 トラックバック URL 返信をキャンセルする。 名前 ( 必須 ) E-MAIL ( 必須 ) ※ 公開されません URL 上に表示された文字を入力してください。
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