凄い男は柔らかな空気を纏う

国土交通省はI-construction
私は出会った変人たちとの出会い-construction

おー!元気?軽やかに、まるでずっと世話になっている親戚の叔父さんのように、語りかけてくれる。その人はいつも和かに微笑みながら、恥ずかしそうに語る。そして、こちらの話には、この世の全てが「たいした問題ではない」かのように、穏やかに答えてくれる。その人の名は沢田和秀先生。岐阜大学の地盤の名教授でありながら、インフラマネジメント技術研究センター長を務めている。長い役職名だが、要は岐阜ME(メンテナンスエキスパート)のボスであり、凄い人なのだ。

岐阜MEは社会基盤メンテナンスエキスパート(ME)養成講座といって、維持管理の重要性が高まる中で、現場で活躍する技術者に対して実践的・専門的能力を向上させる学びの場を提供している。
11月12日、私は岐阜ME飛騨高山支部が実施する「飛騨高山高校」で講演をさせていただいた。

もう何回も先生の前で講演をしているのだが、今回は終了後に一言、「また、ちょっと新しいネタを入れてバージョンアップしたね」と。この短い言葉が、私には実に粋な「最高の褒め言葉」と認識された。文字だけを読んでみると、事実を語った感想でしかない。しかし、確かに私には褒め言葉に聞こえたのだ。穏やかな「皆まで言わすな!」という世界観、思わず「その雰囲気、一つ下さい!」と注文したくなった。

夜、ほろ酔い加減で街を歩いた。すると、岐阜ME修了生の淺井さんが、「高山に日本で唯一の弓道を遊びで楽しめる店がある」と教えてくれた。欲しがり屋の私は当然のように行きたがった。すると、先生は小さな声で「せっかくなら俺も」と微笑んだ。そして、私よりも格段に的に当てた。本当に、歯がゆいほどに何事も飄々と卒なくこなす。ただし、そこに嫌味が全く無い。

彼の周りは常に柔らかな空気が流れ、多くの岐阜MEの修了生の慕い、周りで賑わっている。技術に突き抜けた人は、やはり人への想いを持った人なのだ。
その想いは、技術者としてだけでない、沢山の一見余計な寄り道で育んで来られたのだろう(笑)。この人は「土木工学は人間考学だ」という私のモットーを体現している。
私はあなたに頼まれたことは、断らないことを誓います。たぶん。

そんなあなたに僕もなりたい。えいすけ。

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