第2回「お化粧直し中の橋」〜永代橋・清洲橋・豊海橋〜

現在,東京ではあちこちで建設工事や改修工事のラッシュである。オリンピックまで残り500日あまり。土木工事,建築工事ともに構造物が目に見えて来るようになっており,さまざまなプロジェクトがピークを迎えている。
オリンピックがあろうがなかろうが,必要な工事もある。インフラ構造物を維持していくためには,定期的な点検や補修,更新が必要となってくる。
今回訪れたのは,隅田川に架かる「永代橋(えいたいばし)」,「清洲橋(きよすばし)」,「豊海橋(とよみばし)」の3つの橋である(図-1)。
いずれの橋も,有名な橋であり,詳細な情報は各種HPで紹介されているので,諸元などの説明は割愛する。ちょうど見に行ったときには,「お化粧直し」中であり,橋は足場に覆われていたことに加え,日暮れ近くであったため,写真はきらびやかなものではない。

図-1 訪れた橋(地図は概略)

永代橋と清洲橋は,「帝都を飾るツイン・ゲイト(永代橋、清洲橋)」というタイトルで2000年に土木遺産に土木学会選奨土木遺産に登録された。関東大震災後の帝都の復興を代表する橋として位置づけられる。永代橋(写真-1)はタイドアーチ橋で,ガッチリとした鉄骨が印象的な橋である。一方,清洲橋(写真-3,4)は吊橋であるが,吊り材が現在一般的に見られる吊橋で採用されているようなケーブルではなく,鉄骨を組み合わせたチェーンのような方式となっているのが特徴である。

  • 写真-1
  • 写真-2
  • 写真-3
  • 写真-4
永代橋(2018年12月撮影)
土木遺産プレート(2018年12月撮影)
清洲橋(2018年12月撮影)
清洲橋(2018年12月撮影)
曲線が多く用いられている清洲橋の主塔(2018年12月撮影)

豊海橋(写真-5)は,日本橋が隅田川に流れ込む位置に架かる橋である。現在,橋の下の空間を広げるため,ジャッキアップの工事が行われている。車両は通行止めで,歩行者は隣接の仮設橋を通る。フィーレンディール橋であり,関東大震災の後に復興橋梁として造られたものである。

  • 写真-5
  • 写真-6
  • 写真-7
豊海橋(2018年12月撮影)
豊海橋(2018年12月撮影)
清洲橋から見る夕暮れの東京スカイツリー(2018年12月撮影)

建設中や供用中だけではなく,リニューアル中の橋を見られるのも,また,貴重な機会である。もうすぐ100歳となるこれらの橋を,リニューアル後に見られるのを楽しみにしている。

永代橋 35.676319, 139.787510
清洲橋 35.682458, 139.791824
豊海橋 35.677466, 139.786623

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