【本町橋】そろそろアイスモナカ。

堺筋本町の駅を出て本町通を東に行くと阪神高速道路が見えるのだが、その真下に直交して大正2年架設の本町橋が架けられている。
橋の上に直交して橋がある、ということは、川、橋、橋と重なっているのである。
阪神高速は東横堀川の真上を通っているのだ。
東横堀川は1585年に開削された大阪最古の堀であり、最古の堀に架かる最古の橋ということになる。
この本町橋と、一つ下流の農人橋の間には「本町の曲がり」と言われる、寺院を交わしたためにできた急カーブがあるのだが、ここは上方落語の「饅頭こわい」にも登場する。

本町橋にまつわる話はいくつかあるのだが、やはり人間味のある話となると、塙団右衛門になるのではなかろうか。
団右衛門は朝鮮出兵や関ヶ原の戦いにおいては、加藤嘉明の下で大暴れをした武将である。
朝鮮出兵では敵の番船を乗っ取り、関ヶ原の戦いでは鉄砲隊にもかかわらず槍を持って敵陣に単騎駆けを行った勇猛な武将である。
しかしこれがよくなかった。
加藤嘉明に「大将の器ではない」と酷評されてしまう。
そしてご立腹の団右衛門は大坂の陣で豊臣方に与することとなる。
本町橋においては、徳川勢の蜂須賀隊3000人を相手にたった150騎で夜討ちを行い、100人を超える首を取り、「本夜之大将ハ、塙団右衛門直之也」と書かれた木札をばらまいた。
これは名を売るための行動だと伝えられがちではあるが、徳川方に自らの才を示したかったという気持ちの表れもあったに違いない。

これから暖かくなり、東横堀の散策などに気持ちのいいシーズンになるが、本町橋の南西には「ゼー六」という本町橋と同い年の喫茶店がある。
そろそろ名物のアイスモナカがうれしい季節である。

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