ボクはご飯を食べたことがありません

あなたはこれまで何回ご飯を食べましたか。
1日3食が365日で1095食。
1年間を1000食とすると20歳の人はこれまで2万食、50歳なら5万食を食べましたね。
では樹木は?
当たり前ですが、樹木は一度もご飯を食べたことがありません。
これは霧島神宮の御神木である樹齢800年のスギの木ですが、彼ももちろん。
では、どうしてこんなに大きくなれるのでしょう。
私たちはご飯を食べないと生きてもいけないのに。

それは、樹木には自らのエネルギー源を作り出す能力があるからです。太陽の光を浴びながら根から水(H2O)を吸い上げ、空気中の二酸化炭素(CO2)を取り込むことで、ご飯を食べているのと同じ効果が得られるのです。これを光合成といい、私たちにはできない植物の特殊能力です。
 光合成では二酸化炭素(CO2)を取り込む代わりに酸素(O2)を排出します。ここで排出する酸素の量は、陸地が多い北半球が夏になると地球上の酸素濃度が上昇するほどに膨大です。こうやって、大気中の酸素、二酸化炭素の濃度は平衡状態が保たれるようになっています。
 では、彼らが吸収した二酸化炭素はどこに行ったのでしょうか。一部は自身の栄養源として使われますが、大半は形を変えて樹体に蓄積されます。つまり大きくなるわけです。そう考えると、樹木はまるで二酸化炭素の塊ですね。ついでに森林には膨大な二酸化炭素が蓄積されていることになります。
 最近では、大気中の二酸化炭素濃度が上昇し、それが地球温暖化に関係していると言われるようになりました。そんなわけで、二酸化炭素の濃度を調整する能力を持つ森林が注目されるようになりました。

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