木材利用は防災対策

森林は癒やしの場であり、恵みをもたらす場ではありますが、一方で多くの災害が発生する場でもあります。国土の2/3を森林が占める日本では、森林保全は防災上もとても重要な意味を持っています。

樹木の葉は地表面を雨水から守り、根は張り巡らされて斜面が崩れることを防いでくれます。なので、今のような土木技術がなかった時代には、斜面保護対策というともっぱら植樹でした。現在見られる松林には、防災対策として植樹されたものが多くあります。森林には降った雨を一時的に蓄えることもできます。このため、豪雨時の河川増水のピークを分散させるダムのような効果もあります。

このような効果があったとしても、その能力を超えるような雨が降るとやはり災害は発生します。ここで危ないのは、かつて植林されたもののその後の手入れが行き届いていない人工林です。植林では、間伐を前提に密植することが多く、間伐されないことで過密による荒廃が進んでいるからです。

最近ではその重要性が認識され、森林環境税などの公的な仕組みで森林の保護・育成を図ろうとする動きも出てきました。しかしながら、仕組みがどうあれ森林に費用が還元されること、つまり伐って使うことが森林保護、さらには地域の防災対策にもつながるのです。

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