道路を選ぶ楽しさ

平成30年11月11日 宮崎県の北部で「国道218号高千穂日之影道路」が開通する。高千穂日之影道路自体は僅か5.1㎞であるが、九州中央自動車道の一部として、先に開通した北方延岡道路の次に開通する無料の高規格道路である。
設計速度は80㎞。
現道にあたる国道218号の短所である平面線形、縦断勾配の不良箇所を回避するとともに、災害発生時は 国道218号の代替路となり、宮崎県北地域と熊本方面を結ぶ高規格ネットワークの一部として機能する自動車専用道路だ。
旧国道218号、現在の218号(日之影バイパス)から数えて3本目の道路となる。

高千穂自体、日本神話の里として、九州の秘境観光地として、近年は関東や海外からの来訪客が増えており、九州中央自動車道が延伸していけば、九州一円県外客の高千穂へのアクセスの仕方が劇的に変わる。
現在の国道218号の交通が九州中央自動車道へシフトするということであり、北方延岡道路の場合は、約6割が転換している。
結果、国道218号は交通量が減ることとなり、それまでの通行の雰囲気が変わる。国道218号は線形不良ながらも、かつて併走していた高千穂鉄道があった情景を思い浮かべながら祖母山・傾山の風光明媚な景色が楽しめる道路である。
つまり、高千穂―延岡間は、高速広域移動のための道路、風景・景色、地域を楽しむための道路としての役割が分かれ、複数の選択肢ができることとなる。
鉄道でいう新幹線、在来ローカル線といったものである。道路は一概に、速く走れるよう真っすぐ造れば良いものではなく、役割やシチュエーションに応じて道路を選択できるということが価値であったり、豊かさではないかと思っている。
現在の国道218号をどう使うか。
線形不良といった課題を逆手にとってバイクでワインディングを楽しむもよし、ロードサイクルでヒルクライムを楽しむも良し、旧道においてはトレッキングで楽しむも良し。
新道路の開通にあたり見方を変えて、それぞれの道路を何で走るか、どう走るか、道路に見合った自分なりの相応しい楽しみ方、攻め方を考えてみたい。

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