セメントとワイン

コンクリートは,セメントに水,石,砂を加えてできる建設材料です。
そのセメントと晩餐を優雅に彩る「ワイン」との意外な関係についてご紹介します。

今をさかのぼること2000年以上,古代ローマ帝国を築き上げたカエサル。
彼が現在のローマ(イタリア)からガリア(フランス)へと多くの兵を進軍させたとき,数年にわたる長い出征期間が兵をホームシックに陥れました。
困ったカエサルは,進軍途中の村々にブドウの樹を植え,ワインを作って兵の心を癒そうとしました。

ガリアを征服する際にも近くの村々でブドウの樹を植えようとします。
当時のガリアは現在同様に肥沃な土壌の下,種々の食材が広く栽培されており,ブドウの樹を植える場所がなかなか見つかりませんでした。仕方なく,植物の少ない荒れた石ばかりの土地にブドウを植えます。

ところが,この畑で育ったブドウから取れたワインが大変おいしく,瞬く間に評判となりました。本家ローマを凌ぐ芳醇な味わいに驚いたカエサルは,ガリアでのワインづくりを禁止しようとしたほどでした。
ワインに魔法をかけた石だらけの畑,実は石灰石を多く含んでおり,この石灰石が絶賛されるワインの味に関係していたといわれています。

そして,実はこの石灰石こそ,セメントの原材料として欠かせない材料なのです。
現在,福岡県の田川市はじめ全国各地で石灰石が産出されています。ワイン巡りをしていたら,すぐ近くにセメントサイロがある!?かもしれません。

  1. この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA