【十三大橋・濱中津橋】十三のねえちゃん

十三(じゅうそう)のねえちゃん。
梅田から十三まで、歩いてみよう。
十三のねえちゃんでピンとくる方は、間違いなく大先輩である。
昭和46年、藤田まことの大ヒットなのだが、50年近く経っているのに、十三は変わらずそのままである。
私が通った頃のションベン横丁は火事で焼けてしまったけれど、それでも完璧な下町である。
すぐにあの十三に戻った。
今も大阪人にとっては、楽しくて、人をダメにしてしまうのではないかという、けしからん街である。
藤田まことが歌っているように、梅田を離れて中津を過ぎれば十三なのだが、わざわざ遊べる梅田にいるのに、好きな人はわざわざ十三に遊びに行くのだ。
いいかげん、十三に向かおう。
十三は酒とピンクに困らない街で、まさに猥雑ということばがぴったりくる。
おまけにミニシアターやライブハウスもある。
京橋や新世界、ミナミとは違い、絶妙な融合がある街が十三なのだ。
考えただけでワクワクする。

土木に関係がなさすぎると怒られそうなので、少しだけそれっぽく、なぜ「十三」なのか?を説明してみよう。
諸説あるが、十三という地名は、飛鳥時代の条里制(1条109m×1里=1町)で考え、西成の飛田を一条とし、一条を現在の淀川区十八条に繋げてみると、十三のあたりが十三条となるようだ。
また、淀川の上流から数えて十三番目の渡し舟があったとも言われている。

歩いて十三に向かおう。
中津を過ぎたら、まずは日本最古の鉄道橋だった濱中津橋、それと十三小橋が並んでいる。
濱中津橋はイギリスにおいて1873年に製造され、1874年に国鉄のトラスとして架設されたものだが、昭和10年に架け直されたので、道路橋としては昭和10年架設となる。
もちろん、今も大切に使われている。

濱中津橋を過ぎて、十三大橋を渡れば、いよいよけしからん十三の街である。
十三から梅田を見ると、それは美しいビル群が望めるのだが、大阪の夜、街の人間臭さを感じてみたいなら、十三を選ぶのも面白いのではないかと思う。

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