第5回 猫のように素早くメンテナンス♪

 今回は猫の手も借りたい地方のインフラメンテナンスの好事例として、歩道橋のメンテナンス事例を紹介します。この事例は、平成27年8月4日(橋の日)に実施した記念すべき第1回の活動で得られた成果です。
 橋守活動の基本である清掃を行った後、参加者で簡易点検を行いました。その結果、活動に参加した普通高校の生徒が柱の基部のコンクリート(根巻きコンクリート)に発生しているひび割れを発見しました。このコンクリートは柱部材を保護する目的であるため、ひび割れが直接橋に悪さをするわけではありませんが、ひび割れの内側の鋼材が錆びている可能性もありました。そんな場面で発揮されたのが、この活動の強みでもある産・官・学(第1回は民の参加はなかった)の連携でした。
 損傷を発見した普通高校の生徒(学)の報告により、施設管理者である道路管理者(官)が現場を確認し、すぐに専門家(産)へ詳細点検を依頼したことで、短期に補修まで行うことができました。この活動で発見したひび割れを放置していると、水が浸入し、重要な柱の基部の損傷を助長することにつながったと考えられるため、重症化する前に簡単な措置で延命化を図れた好事例と言えます。

この活動では、延命化の他にもう1つの成果がありました。
参加した普通高校の生徒が授業課題として追跡調査を行い、スーパーサイエンスハイスクール(文部科学省が指定する先進的な理数教育を実施する高校)の成果報告会で「保全活動から分かる橋の劣化に関する研究」と題して発表してくれました。
成果報告会では、「一人一人が現在の橋の状況に目を背けることなく、関心を持つ事がなによりのメンテナンスである」と自分たちの言葉で発表してくれました。嬉しさのあまり、写真もブレブレとなってしまいました(笑)

さらに、ここで発表した当時の生徒さんの1人は、大学で土木を専攻したという嬉しい
知らせもありました。今年で大学入学4年目。もうすぐ(土木を学ぶ高専生は除いて、)非土木だった橋守隊員で第1号の土木技術者が誕生するかもしれません!?

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