【太左衛門橋】ピンク!ピンク!ピンク!

大川や中之島、東横堀川の橋を多く紹介してきたが、道頓堀川について全く触れていないじゃないかと、今更ながらに気づいた。
所謂「ミナミ」といわれる今も昔も賑わっている地域である。
道頓堀の成り立ちはいずれ紹介しようと思うが、今回は歓楽街としてのミナミにある太左衛門橋について。

橋の東南角に歌舞伎の小屋を開いた大坂太左衛門から名を取ったものであるが、道頓堀の南側では1626年に芝居や遊郭が許され、たいそう賑わったらしい。
しかし、「太左衛門橋」という名前にはあまり馴染みがないし、大阪人同士であっても伝わらないことすらある。
今は移転してしまったが、この橋のたもとにたこ焼き屋があったことから通称の「たこ焼き橋」が馴染んでいるうえに伝わりやすい。

そしてこの橋の南側すぐに「今井」という、うどんの名店がある。
「うどんは今井やろう。お客さんは今井に連れてこ」と、大阪人に愛され続ける名店である。
この今井の玄関に「頬冠りの中に日本一の顔」と書かれた石碑を見ることができるのだが、これは岸本水府が初代中村雁治郎のことを書いた名文句だ。
岸本水府といえば、グリコの「一粒で三百メートル」というキャッチコピーの生みの親でもある。

この辺りは地下鉄の「なんば」から行くのが近いのだが、大阪の地下鉄には路線ごとに色がつけられている。
御堂筋線は大動脈であるから赤、その海側の四つ橋線は青。
道頓堀川に並行して走る千日前線はピンク。
今里、日本橋、なんば、桜川そう、ピンクな店が多いからピンクである。
この正直さがいいのである。

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